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センターバックの接ぎ有り、接ぎ無しの考え方
【質問】
通常のBCに接ぎありと、接ぎなし(ワンピースバック)の
考え方(首入について)を教えて頂きたいです。
【回答】
後中心の接ぎは行なわなくてはならない最低限度の方法です。
後中心に縫い目がある場合、肩甲骨へアイロン処理によって
ボリュームを移動させることとウェストをフィットさせる2つの
意味があります。
肩甲骨の位置にボリュームとして存在するものが無ければ、
後の首入りが無く浮いてしまいます。
特にワンピース等は着脱の際、後開きにして
コンシールファスナーを付けますので、肩甲骨を処理する
ボリュームがありますと波状シワが出る原因になります
ので、後中心は直線的にして肩甲骨と臀部がある位置は
プリンセスラインで対応された方が無難です。
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肩甲骨の処理について
【質問】
お聞きしたかった内容なのですが、
純粋に肩甲骨についての立体度のことです。
ジャケットタイプで肩パットなしという感じで、
縫製は簡単なもの(テープでAHをイセたりしない)
という条件下です。
肩甲骨の凸面に合わせる為に、
どの部分でどのぐらい処理したらいいのか?
例として具体的な数値、角度で教えて頂きたいです。
【回答】
今回の条件として、
肩甲骨に身頃を収める方法として縫製は簡単なもので
テープを使いAHをイセないということですので、
かなり限定されます。
まず素材によっても方法は異なります。
ここでは説明しきれませんが、いくつか考え方をお教えします。
因みに立体度は全てのクォリティの状況によって異なります。
図が横長になってしまったので、縮小図と拡大図を用意
しました。縮小図をクリックすると拡大します。
【1図説明】
後中心の肩甲骨位置で約0.3pアイロンでイセます。
ここでの質問ではAHではイセを入れたりしない、
という条件ですが、本来最もイセを入れなければ
ならない箇所です。
体型的なことからそれは必要な処理です。
そして後中心でイセた量は肩甲骨の箇所まで
ボリュームを移動します。
【2図説明】
他に処理が出来なければダイレクトな方法があります。
それは肩ダーツを入れる方法です。
この場合は肩ダーツを入れる量を着丈で
マイナスしておきます。
そして肩ダーツの長さの位置でヨーク位置を決めます。
【3図説明】
肩ダーツを1.4pとしますと、ヨーク中心から0.7pずつ
平行に出します。
この量の1.4pは事前に着丈をマイナスしておきます。
【4図説明】
肩甲骨の位置でアウトカーブを描き、
合印位置で線を止めます。
カーブを描く時の注意点は、アームホールの
ところで急にカーブを強く描かない事です。
【5図説明】
平行に描いたヨークの出来上がり線同士を
合わせますと、アームホール側にダーツが出来ます。
【6図説明】
アームホール側のダーツをたたむと
肩ダーツが出来ます。
ダーツ量や長さは最初の段階で体型に合った量を
事前に考えて下さい。
最後にアームホールの曲線や後中心の曲線は
描き直して下さい。
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ダーツのマニピュレーションについて
【質問】
テーラードJKの前見頃のダーツ下端の所(両玉縁ポケット)
の所での展開はAHでたたんでポケット口で開くと言うことで
よろしいですか?
そこのところが曖昧です。
【回答】
この質問はマニピュレーションのことと思います。
マニピュレーションはダーツの操作ということです。
ここでは、ボリュームの外廻り量をマニピュレーションによって
作ります。
ダーツの下の開き量はメンズで1.2p、レディースで
約2.2p〜2.6p位になります。
図の順番で進めて下さい。
図は全てクリックすると拡大図が開きます。
ダーツのマニピュレーションは、各箇所の縫い代を
付ける(工業パターン)前に行います。
図で示す太い線の箇所が切り込みを入れる部分です。
A線は、前脇からダーツまで切り込みを入れます。
C線は、ダーツ止まりまで切り込みを入れます。
D線は、ダーツ止まりからB線と前脇の交点まで
切り込みを入れます。
E線は、ダーツ止まりからB線と打ち合い線の交点を通り、
返り線で少し残しておき、ラペルまで切り込みをいれます。
○の部分は完全に切り離さないで残しておきます。
基パターンをマニピュレーションする場合は、
下に別のクラフト紙をおき、そのクラフト紙に
写し描いて下さい(写した後は縫い代付けになります)。
黒い部分で前身頃の半分が、ラペルの返り線上
(○の部分)を中心とし、腰ポケットの位置で
0.6p矢印の方向に移動します。
黒い部分で前脇とB線との交点を中心とし、
腰ポケットの位置で0.6p矢印の方向に移動します。
この状態で、腰ポケット位置のダーツ量は1.2pになります。
この状態のダーツ中心は打ち合い線と平行に
なっていない為、次の4で修正を行います。
マニピュレーションを行って下のクラフト紙に
写しとった状態ですと、開いた前身頃は前ダーツの中心と
打ち合い線が平行ではありません。
マニピュレーションを行って三角状になっている
ダーツ止まりから前中心の打ち合い線と平行に
ダーツ中心線を腰ポケットまで描いて下さい。
当然、最初に決めたダーツからの腰ポケット前側
出来上がり位置が微調整されます。
前ダーツが完了しましたら、腰ポケットの前位置を修正します。
そしてチェンジポケットは腰ポケットの前位置に合わせ、
出来上がりの長さも確認します。
打ち合い線は下側の線を延長します。
又、ラペルはマニピュレーションを行う前の形を
当てて修正して下さい。
ここまで出来たら縫い代付けに入ります。
以上です。参考にしてください。
またご不明点がありましたら質問くださいね^^
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前後の天巾、肩傾斜、ブレスト前後巾について
【質問】
カジュアルなブルゾンやアウターなどでの前後の天巾、
肩傾斜、バスト寸の前後差、胸巾、背巾の関係など
目安になるものがあれば教えていただきたいと思います。
形としては衿付き、2枚袖、フルジップ。
もしくは上までボタンで止めるものです。
色々なデザインがあると思いますが・・・・。
【回答】
デザインによって異なりますが、ブルゾン系の
天巾は通常9p位です。
但し、フードが付く場合は、9.5p位になります。
そして、立ち衿のダウンジャケットは10pとアイテムによって
天巾は変化しますので、試して下さい。
また、衿腰に切り替えがある場合、寝かしたい衿(月腰)等は
天巾が広くなり、 立ち衿の場合は天巾が狭くなります。
このように天巾はアイテムや目的によって微妙に変化しますので
取り入れて下さい。
肩傾斜は上の図のようになります(クリックすると拡大します)。
身頃前後巾については、ユトリが多く入っているので、
特に神経質になることはありません。
但し、肩巾と身巾のバランスは大切です。
この図は、そのバランスも分かって頂く為の図に
なっているので、良く見て利用して下さい。
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2面体身頃のダーツについて
【質問】
前身頃のAHから、裾に向けて、ダーツをとり、
ダーツ止まりを腰・箱ポケットとします。
その時に、脇のラインが、裾すぼまりの状態に
なってしまいます。
そういう時は、単純に、裾を出せば良いものでしょうか?
ダーツの取り方に、ポイントは、ありますか?
【回答】
裾はそのままで、ダーツを入れる場合、
ウェストから上でダーツ量の分を開きます。(矢印方向)
B線上で矢印の方向に1.4pスライドさせます。
裾の巾はそのままです。
ウェストは、もともと絞られている箇所ですから
B線上のダーツ量より、ウェストのダーツ量を少し
多く取って下さい。
先日送って頂いたファックスの画のダーツは、
ちょっと斜め過ぎです。
ダーツ止まりがポケットの中になる状態は良いです。
ダーツが斜めになると、B線とW線はダーツの
中心に対して直角にウェストの絞り位置を決めて下さい。
とくにアームホールでは、ダーツから脇身頃の
アームホールは少し下がる状態になりますので注意して下さい。
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