ワイシャツの仮接着芯について
井口先生
初めて御連絡差し上げます。
私は、毎日ワイシャツの縫製をしてます。
ブログを拝読して、質問をさせて頂いてもよいと書いてございますので、お尋ねしたことがございます。
それは、
「@なぜ、仮接着芯があるのか?」
「A仮接着芯が生まれた、歴史的な背景。」を教えて頂きたいのです。
現在私共のワイシャツには、仮接着芯を使用しています。
使用しながら
「なぜ、仮接着芯があるのか?接着するのであれば完全に接着すればいいではないか?」
仮接着芯の存在理由がきちんと理解出来ません。
芯地を表地に接着させることは、縫製上、確かに便利です。仮接着芯が生まれた理由にはそれ以外の理由があるのではと思っております。
お忙しい中、お手数をお掛けして申し訳ございません。どうぞ、よろしくご教示お願いいたします。
【回答】
かなり早い時期に出来ていた接着芯はヒューズ芯です。
ヒューズ芯は、フィルム状の接着樹脂が基布の上にコーティングしてあり、表地の全ての面に接着出来るようになっています。
昔はフラシ芯を入れていた時代もありました。接着芯を貼る意味は、作業効率を高めることと、衿の形状を整える為に貼りますが、このヒューズ芯は生地の風合いも関係なく接着樹脂の為に硬く仕上がってしまいます。
そこで今から約25年前に開発された接着芯は樹脂が取れてしまえば柔らかく仕上ると考えました。それがディスパージョン(水溶性接着樹脂)仮接着芯です。
仮接着芯は縫製の際は接着されていて、蒸気を掛けたり、クリーニングや洗濯によって剥離しますので、結果的に柔らかく仕上がります。
nyassama : 19:14 | Com (0) | メンズパターンプロフェッショナル topへ ▲
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