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コート比翼(フライフロント)について【前編】

おはようございます。

今日は朝から雨です。たまに雨が降ると気持ちが
ホッとしませんか?私だけかな。

気持ちをホッとさせて思い出したのですが、
大昔、コートの比翼(フライフロント)のパターンを
作成していて、パーツの使い方で頭が
混乱したことがありました。

なので、今日は比翼について説明します。

今更説明するまでも無いと思いますが、
比翼とは、釦(ボタン)を見えないようにする為の
仕様の事で、ジャケット・コート・パンツ・シャツ等に
多く使われています。

ここでは、一番多く使われるコートの比翼について
説明します。

比翼のポイントは、身頃から比翼身返しの控え量・
釦の大きさ及び釦位置の関係・比翼に必要なパーツです。
それぞれのパーツの役目が分かれば、
色々なアイテムに応用できます。

今後、他のアイテムの比翼仕様も計画していますので、
今回はコート比翼を頑張って下さいね。

長くなりそうなので、前編と後編に分けました。

コート比翼(フライフロント)について【後編】はこちら

では参りましょう。

画像はクリックすると大きくなります。

【1図説明】
コートやジャケット等の重衣料の場合、平画のように
前身頃の中心にステッチが掛っているデザインを多く
見ると思います。この部分の身頃裏側(身返し側)が
比翼仕様 になっています。

【2図説明】
身頃を裏側にすると比翼の部分は、身頃前端から0.8p程、
身返しを控えています。この意味は、釦を掛けた時、
引っ張られて身返しが表身頃から覗かないためです。

【3図説明】
ここでは、比翼で使う各パーツの数字です。
大きさによっても異なりますが、コートとしては標準的な大きさ
になります。又、釦の大きさやアイテムによってもステッチ巾等が
変りますので変化させて下さい。

【4図説明】
アイテムによってサイズは異なりますが、コートの場合の
身返しの控え量、及び釦ホールと周囲のサイズは図の様になります。

ここで注意する点は、釦の大きさに対しての釦ホールの
位置です。釦ホールの位置を間違えると、釦が表から
見えてしまいます。

従って、他のアイテムで行う比翼は釦の大きさで
判断して下さい。又、釦の位置が適切でない場合は
使用感が悪くなるので位置には注意が必要です。

【5図説明】
@の前身頃は必要なことですが、A前身頃比翼裏布は、
その前身頃の裏側へ付きます。C身返し比翼の裏側には、
Bの比翼身返し裏布が付き、その裏側にDの比翼身返し
力芯が付きます。

この5パーツが、比翼仕様を行うために必要なものです。
比翼仕様の場合は、内側に釦が付きますので、
釦ホールを先にかがる必要があります。
後からかがることは、とても不可能です。

【6図説明】
比翼身返し裏布力芯を比翼身返し裏布の裏側へ躾止めか、
のりで止めます。躾止めの場合も、のり止めの場合も縫い代の
部分に止めます。

のりの場合、裏地に付けますので、あまり多く付けないよう
注意して下さい。

【7図説明】
身返しの上に、6図で比翼身返し裏布に付けた
比翼身返し裏布力芯側を上にして、躾止めを行います。
躾止めは、ミシン地縫いをする際に止めた方が
布ズレを起さずミシンが掛けれます。

【8図説明】
身返しと比翼身返し裏布を躾糸で止めた後で、
比翼控えの部分をミシン地縫いします。上部は直角に縫い、
下部は、比翼ステッチ掛け出来上がり想定線に添ってミシンを
掛けて下さい。終了後、斜めに切り込みを入れて下さい。

コート比翼(フライフロント)について【後編】はこちら


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