シャツ衿前の跳ねる原因について
【質問】
シャツ着用時に、上衿が台衿の衿付け止まりから袖下側に
斜めに線がでて、衿が跳ねます。
私が自分で思うに衿の引き方に問題があるので
わないかと思っております。
外回りが足りていない訳でなく、衿先が三角に跳ねるので、
上衿と台衿の接ぎ合わせの線が良くないのではないか、
または衿ぐりのラインが悪いのではないかと思っております。
衿の引き方でポイントがあれば教えて下さい。
また、工場の人も衿が同じ様に跳ねる事が良くあると
言っておりました。
何か原因として考えられる事があれば教えて下さい。
【回答】
立ち衿の場合と、寝かし衿の場合で、
それぞれ悪い例と良い例を図解で説明しますので
是非参考にしてください。
図はクリックすると拡大します。
【図1】 シャツ立ち衿の悪い例
衿腰に付くハネの先端は1cm上に上がっていますが、
衿全体が丸くなる為、外廻りが足りなくなります。
立体にする為には衿腰と衿ハネの落ち付く角度が
あるので衿ハネ前上部が1cm上がっているのは、
その役目を行います。
そして外廻り量が必要になります。
【図2】 シャツ立ち衿の良い例
衿腰に付くハネの先端は1cm上に上がっていますが、
衿ハネエッジの外廻りのユトリ分は後中心で衿腰中心
から約3mm出します。
この3mmの量をN・P付近で衿ハネを衿腰に挟む時
イセを入れて縫うことで衿ハネ先の跳ねを解消します。
【図3】 シャツ寝かし衿の悪い例
寝かし衿の場合、衿ハネエッジの外廻りのユトリ分は
あまり必要ではありませんが、この図の場合、Aの部分で
衿腰と衿ハネの線が同じになります。
その代わり衿腰と衿ハネの角度は問題ないのですが、
全体的に平均した衿ハネエッジのユトリが出にくくなります。
そして微量の外廻り量も出ません。
【図4】 シャツ寝かし衿の良い例
寝かし衿の場合、衿ハネエッジの外廻りのユトリ分は
あまり必要ではありませんが、全体的に外廻り分が
必要になります。
衿腰上部に付く衿ハネ上部の形状が【図3】の状態に
なっていると、衿前先に三角状のシワが出てきて上に
跳ね上がってしまいます。
従って、寝かし衿の場合は、N・Pの位置より2cm前方向
の上部で全体的に衿ハネエッジの外廻りにユトリが入る
為に曲線の流れでAは約3mm程出るように心掛けて頂くと
衿ハネ前先が跳ねる原因は解消されます。
トワルを組んで確認する事も次のステップの足がかりに
なります。
以上です。
nyassama : 15:54 | Com (0) | メンズパターンプロフェッショナル topへ ▲
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