トップページ > 2012年06月
くせ取りについて
【質問】
メンズのテーラードではいせたり伸ばしたりとアイロンワークでのくせ取りががすごく重要になってくると思うのですが、コットンのような熱可塑性の無いような生地の場合でもジャケットを仕立てる際にはウールのテーラードを仕立てるのと同じように仕立てるものなのでしょうか?
それだといくら重要な個所に芯を添えてもやはり着ていくうちに形が崩れてしまう気がするのですが既製品などではどのように仕立ててあるのかがすごく疑問です。
工場に縫製を依頼して量産されているようなものの場合はウールのジャケットでもアイロンでのくせ取りなどは行わないのでしょうか?
その場合はパターンワークでくせ取りを行うようなパターンになっているのでしょうか?
【回答】
ウールと綿は、まったく違う素材です。
ウールは重衣料としてスーツ等に使い、綿はカジュアル・ウエアとして崩したオシャレで着用されます。
ウールは熱可塑性を利用してして縫い目だけでは表現出来ない箇所へアイロン処理によって体に合った曲線を出す目的があります。
袖のイセ等も多い少ないを調整してデザインの対応も容易に行うことが出来ます。
綿素材はイレギュラーでウール素材の生産方法で行うこともありますが、本質的にはまったく違うもので、この場合は接着芯を使用した仕様になります。
又、パターン作成についても融通が利かない素材ですから、曲線も極端に出してはいけないし、袖のイセもウール素材に比べて約50%は少なくする必要があります。
アイロン処理もウールで行っている真似程度の必要性はありますが、ウールのように行うことは出来ません。
と言うわけで、ウールと綿は分けて考えてください。
nyassama : 12:07 | Com (0) | メンズパターンプロフェッショナル topへ ▲